海から見つめる子どもランドスケープ「ふくおか」プロジェクト(海と日本2018)は、福岡の子ども達が、自分たちの住んでいる福岡を「海のことが好きになれるまち」として模型作りで提案する試みです。どんなものがあれば、海のことが好きになれるかな?見ていてワクワク・ドキドキするもの、便利なもの、形がへんてこなもの。海とつながりがあるものならなんでもOKです。美術教室ならではの美術制作で海の新しい可能性を子どもたちと一緒に発見します。
第三弾「平戸プロジェクト」の舞台は、九州の西端にある平戸島。昔からキリシタンの信仰が深い根獅子町で、一泊二日の体験プロジェクトを行いました。透き通った遠浅の海が広がり、また山の間に点在する集落が、昔の面影を色濃く残していました。参加した子どもたちも保護者も、そしてスタッフも福岡と全く違う趣の集落と海に、ふと敬虔な気持ちになりました。以前は私たちの住む福岡の街にも、身近に暮らしと密接に結びついた海があったことを思い起こさせてくれました。
平戸根獅子町集落再編協議会の方々が守る歴史や文化、今も住み継がれる中で、変わりのない海との暮らし。加え、新しい海との関り合い方としてカヤック体験も楽しみました。この経験を自分たちの暮らしている福岡のまちづくりにどのように生かしていくのか?また第二弾の「壱岐プロジェクト」で感じたこと・気付いたことと何が違うかを子ども達は、言葉だけではなく、直接的に模型や街づくりをみんなで作り上げることで、これからの海との関りに気付いて行くことでしょう。
この気付きを大切に、実際に子供たちの意見やアイデアを反映させた福岡のまちづくりを行います。それがランドスケープ「ふくおか」です。福岡の海と街に愛着が子ども達の中に生まれるプロジェクトです。
平戸島について一番最初は、島全体が見渡せるすがすがしい岬でお昼ご飯を食べました。こんな開放的な場所で食事をすることはなかなか無い機会ですし、ご飯を食べた後はみんな思いっきり走ったり転んだり。
生月島「島の館」は、平戸島が古代より漁撈として捕鯨が栄えていたことを様々な資料の展示や保管品からひも解く資料館です。現代とは違う小規模で手作りの道具を駆使して昔の人々が如何にして大きなクジラを取っていたのか、大自然との格闘が分かる資料に子ども達は目が釘付けでした。
また平戸島全体が自然の奇観を多く有しており、根獅子町集落再編協議会の川上様がゲストスピーカーとしてバスに乗り込み、参加者の子ども達に分かりやすく島の暮らしと海との関りを解説して下さいました。
宿泊する根獅子町では、集落の人が心づくしの夕食を作って下さいました。豊ノ海の恵みを中心に、お刺身とバーベキューに子ども達は舌鼓を打っていました。
子ども達が宿泊するところは、根獅子町公民館です。みんな大広間で宿泊しました。寝る前には島の「おろくにんさま」の紙芝居を読んで、隠れキリシタンの物語を学ぶことが出来ました。
皆早起きして朝食を食べたら、早速海に集合です。海にはすでに平戸生月B&G海洋センターの皆さんがシーカヤックを準備してくれました。みんなカヤックの体験は初めてです。
海で遊ぶことと言えば、海水浴だったり、磯遊びだったり。最初はみんな怖がっていましたが、スタッフの優しいレクチャーと、持ち前の遊び心ですぐに上達。時間を忘れて大いに楽しみました。
こんな海との遊び方があったなんて!というくらいの熱中ぶりで。先生達の方がへとへとになるくらいでした!
2018年9月23日(日),24日(月)の1泊2日
10月21日(日)のランドスケープ制作
長崎県平戸市根獅子町
34名(小学生及び幼児、保護者及びスタッフ含)
山王ひなた美術教室
根獅子町集落機能再編協議会/平戸生月B&G海洋センター